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あたまのたいそうLv.10000000

コラム 2024.04.10

あたまのたいそうLv.10000000

だれでもできる「あたまのたいそう」です。ぜひチャレンジしてみましょ♪♪

読者の方に必要な知識は、「この世のあらゆる”モノ”が光の速さを超えることは決してありえない」
「地球を出て火星に到着するまで、光ですら約10分かかる」
ということだけです。
(モノというのは物質以外に情報にも適応されます。物質の場合は移動速度、情報の場合は伝達速度だと思ってください。宇宙の膨張速度は氣にしないでください。)

さて、今地球上に用意しているのは「赤いボール」、「青いボール」、2つの「黒い箱」です。(今回は万人向けの説明のため、細かい注は省きます。)

それでは、実際に頭の中で想像してみましょう。

それぞれの箱に1つずつボールを入れ、黒い箱の封を閉じ、混ぜます。
すると、どちらの箱にどの色のボールが入っているかは分かりません。
ここで、どちらか箱を一つ選択し、現代の科学技術を用いてそれを火星まで運び離れないように固定します。
今、地球上と火星上にそれぞれ1つずつボールの入った黒い箱がありますね。
ここからが本題です。
地球上にある箱の封を解いてみます。中には何色のボールが入っているのでしょうか。
結果は…(今回は)赤でした。
ということは火星に置いた箱の中にあるボールの色は青ですね。こんなもん1秒かからず分かります。

あまり俺を舐めるなよ( ・᷅-・᷄ )
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、いやいやちょっと待ってください。

なぜそんな瞬間的に「火星にあるボールの色は青である」と判断できたのですか?

いやいや片方が赤なら片方は青じゃんって、そうお考えの方もいらっしゃることでしょう。もちろん正しいです。

ただ、地球から火星に情報を届ける(受け取るも同様)には最速でも10分かかるはずです。

なぜあなたはたった1秒程度で火星に情報を届けることが出来たのですか?

何度も言いますが、あらゆるモノの速度は光速未満です。これは特殊相対性理論という膨大な実験を積み重ねた確固たる理論により保証されています。

この思考実験、後にEPR(Einstein-Podolsky-Rosen)パラドックスというやたらかっこいい名前が付けられます。(言ってることはこの内容とは少し違いますが)

一見頭の冴えた小学生なら思いつきそうな思考実験ですが、これを解決するためには相対論や量子力学の奥底まで踏み込まないといけないのです。

物理の小話は次回もしようと思います。今度はちょっと方向性を変えて…。お楽しみに!!

(終わりに:添付画像とこの話は全く関係ありません。ただの可愛いうさぎさんたちです。)

理工学部物理学科二年 鈴木崇英

S 3498060

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